1. はじめに
着物は日本の伝統的な衣装であり、男性にとっても特別な場面やカジュアルな機会で楽しめるファッションです。成人式、結婚式、お祭り、和風のイベントなど、着物を着る機会は意外と多く、最近ではカジュアルな街歩きでも着物を楽しむ男性が増えています。しかし、「着付けが難しそう」「何から始めればいいかわからない」と感じる初心者も多いはず。この記事では、男性向けの着物の着付けを、初心者でも簡単に実践できる手順で解説します。必要な道具から具体的な着方、快適に過ごすコツまで、わかりやすく紹介します。さあ、着物を着て日本の伝統文化を体感しましょう!
2. 着付けに必要な道具
着物を着る前に、以下の道具を準備しましょう。男性の着物は女性のものに比べ、シンプルな構造で初心者でも扱いやすいです。レンタルを利用する場合、必要なものがセットになっていることが多いですが、自分で用意する場合は以下を参考に。
- 着物:男性用の袷(あわせ)着物や単衣(ひとえ)、浴衣。初心者は木綿やポリエステルのカジュアルなものが扱いやすい。
- 帯:角帯(かくおび)が一般的。幅約10cm、長さ約4mで、初心者向けに結びやすい硬めの素材を選ぶ。
- 長襦袢(ながじゅばん):着物の下に着る下着。半襟付きのものを選び、衿元がきれいに見えるよう準備。
- 肌着:肌襦袢(はだじゅばん)やステテコ。吸汗性のある綿素材がおすすめ。
- 足袋:白や黒の足袋。足袋ソックスでも可(初心者向け)。
- 履物:草履、雪駄、または下駄。カジュアルならスニーカーもモダンでおしゃれ。
- 腰ひも:2~3本。着物や長襦袢を固定するための紐。
- 伊達締め:1本。着物を整えるための幅広の帯。
- 補正具(任意):ウエストが細い場合、タオルや補正パッドで体型を整える。
- 小物:扇子、巾着バッグ(カジュアルな場面で)、着物クリップ(着付けの補助に)。
準備のポイント:
- 道具は事前に揃え、シワや汚れがないか確認。
- レンタルを利用する場合、セット内容を確認し、足りないものは自分で用意。
- 初心者は木綿やポリエステルの着物を選ぶと、扱いやすく洗濯も簡単。
3. 着付けの手順
男性の着物着付けは、女性のものに比べシンプルで、初心者でも30分程度で習得可能です。以下の手順を一つずつ丁寧に進めましょう。事前に鏡を用意し、動きやすい環境を整えるとスムーズです。
3.1 肌着を着る
足袋を履く.スニーカーなどの場合は靴下でOK.足袋は最初に履く方がよいです.着物を着た後に足袋履くためにかがんだりするのがやりにくいためです.
3.2 肌着を着る
- 肌襦袢を着る:Tシャツのような形状の肌襦袢を着ます。裾は膝上程度で、動きやすく汗を吸収する役割を果たします。エアリズムのような近代的アイテムももちろんOK.首元から肌着が見えるとだらしなく見えるので,Vネックあるいは大き目なU字型のものがオススメ.
- ステテコを履く:ズボンのような形状のステテコを履き、裾を足首まで整えます。動きやすさと防寒を兼ねます。
- ポイント:肌着は体にフィットするものを選び、シワにならないよう整える。
3.3 長襦袢を着る
- 長襦袢を羽織る:長襦袢を着物と同じ要領で羽織ります。背中心を背中の中心に合わせ、衿を首の後ろに軽く沿わせる。
- 裾の長さを調整:裾が足首のくるぶしあたりになるよう、腰の位置で引き上げます。
- 腰ひもで固定:腰ひもを腰骨の位置で結び、余分な生地を折りたたんで整える。きつすぎず、ゆるすぎない程度に。
- 半襟を整える:長襦袢の衿が着物の衿元から1~2cm見えるよう調整。ピンやクリップで仮止めすると便利。
- ポイント:長襦袢は着物の下地になるため、シワやズレがないよう丁寧に。
3.4 着物を着る
- 着物を羽織る:着物を羽織り、背中心を背骨に合わせます。衿を首に軽く沿わせ、左右の衿が対称になるよう調整。
- 裾の長さを調整:裾が足首のくるぶしに軽くかかる長さに。長すぎる場合は、腰で引き上げて折りたたむ(おはしょりは男性着物では不要)。
- 腰ひもで固定:腰骨の位置で腰ひもを結び、着物を固定。前の部分を軽く引き、シワを伸ばす。
3.5 角帯を結ぶ
男性の帯は角帯を使い、シンプルな「貝の口結び」が初心者におすすめ。
- 帯を巻く:角帯を腰に巻き、左側を長めに残す。2~3回巻き、帯の端が背中に来るように。
- 貝の口結び:
- 長い方の端を折り返し、短い端の上に重ねる。
- 長い端を下から上にくぐらせ、輪を作る。
- 短い端を輪に通し、引き締めて形を整える。
- 帯の位置を調整:帯は腰骨のやや下、ウエストのくびれ部分に。結び目は背中のやや右側にずらす。
- ポイント:硬めの角帯は結びやすく、初心者向け。YouTubeの動画で結び方を確認するとわかりやすい。
3.6 仕上げ
- 衿元を整える:着物と長襦袢の衿が平行に重なり、半襟がきれいに見えるよう調整。
- シワをチェック:全体のシワを伸ばし、特に背中や腰周りを整える。
- ポイント:鏡で全体のバランスを確認。姿勢を正すと、より凛々しく見える。
4. 着付けのコツと注意点
4.1 初心者向けのコツ
- 事前練習:着付けは慣れるまで時間がかかる。事前に1~2回練習し、道具の使い方に慣れる。
- レンタルを利用:初心者はレンタル着物店で着付けを依頼すると楽。自分で着る場合は、簡単な木綿着物からスタート。
- 動画を参考に:YouTubeや着付け教室の動画で手順を視覚的に確認。男性向けの着付け動画はシンプルでわかりやすい。
- 友人と一緒:友人や家族に手伝ってもらうと、衿や帯の調整が楽。着付け教室の1日体験もおすすめ。
4.2 注意点
- 着崩れ対策:長時間の移動や動きでは、腰ひもや帯がゆるむことがある。予備のピンやクリップを持ち歩く。
- 季節に合わせる:夏は浴衣や単衣、冬は袷を選び、肌着で体温調節を。ヒートテックや薄手のインナーも活用。
- トイレの対応:裾をたくし上げ、クリップで仮止め。公共施設の多機能トイレはスペースが広く便利。
- 汚れ防止:食事や屋外ではエプロンやハンカチを用意。ポリエステル素材なら汚れても洗いやすい。
5. 着物を着るシーンとコーディネート例男性の着物は、シーンによってカジュアルからフォーマルまで楽しめます。
- カジュアル(お祭り、街歩き):木綿の着物+角帯+雪駄。モダンな帽子やバッグで個性を。
- セミフォーマル(観劇、食事会):色無地+角帯+草履。落ち着いた色で上品に。
- フォーマル(結婚式、成人式):黒羽織袴+角帯+白足袋。袴はレンタルで着付け依頼が一般的。
コーディネートのポイント:
- 初心者は無地や縞柄の着物を選ぶとコーディネートが簡単。
- 帯や小物でアクセントを。季節感のある扇子や帯締めで個性を出す。
- モダンな装いなら、スニーカーや眼鏡を合わせてもおしゃれ。
6. よくある質問
Q1. 男性の着物着付けは女性とどう違う? A. 男性の着物は裾のおはしょりや複雑な帯結びがなく、シンプル。初心者でも短時間で着られる。
Q2. 着付けにどのくらい時間がかかる? A. 初心者は30~40分。練習すれば5分もあれば着られるようになる。
Q3. レンタルと自分で買う、どちらがいい? A. 初心者はレンタルで試し、慣れたら自分好みの着物を購入。カジュアルな木綿着物は3~5万円で入手可能。
7. まとめ
男性の着物着付けは、シンプルな構造で初心者でも挑戦しやすいもの。必要な道具を揃え、手順を一つずつ丁寧に進めれば、30分程度で着られるようになります。肌着から長襦袢、着物、角帯の順に整え、姿勢を正すことで凛々しい姿に。事前練習やレンタルを利用すれば、さらに気軽に楽しめます。着物を着ることで、成人式やお祭り、街歩きが特別な体験に。日本の伝統文化を身にまとい、自分らしいスタイルで着物を楽しんでみましょう!